身内や友達が仕事を頼むときタダでやってもらおうとする人がいて困るという話題がTwitterで盛り上がってました。
どうやって断るのか?とか、そもそもタダでやってもらおうなんでムシが良すぎる!といった反応が多かったようです。
私もコンサルタント業をしているので、同じように身内や友人から「ちょっと見てもらえない?」という依頼を受けることもしばしば。
そんなときって、やはり代金請求はしにくいですよね。
今回は、身内や友人に限らず、ちょっと頼んだ仕事でも遺恨を残さないようにする方法について考えてみました。
依頼者はなぜタダだと思うのか
依頼する人は「ちょっと見て欲しい」わけです。
専門家なんだから簡単でしょ?っていう感覚なんだろうと思います。
いつもお付き合いしてるし、場合によってはお世話もしてるんだから、ちょっとしたことくらいタダでやってよね という感じ。
まあ、本当にいつもお世話になってる人や、今までさんざんお世話になってきた人からの依頼なら喜んでタダで引き受けます。恩返しになるし。
でも、こういった依頼をしてくる人って、そもそも「あいつに頼めばタダになるかも?」というセコい考えを持ってるので、さんざん人のお世話をするようなタイプではない人が多いんですよね。
頼まれた側の受け止め方
引き受ける側としては、本来の仕事の手を止めて作業をすることになるので、無料で引き受けると本業に支障をきたす恐れもあります。
かといってプライベートな時間を削って対応するというのも抵抗があるものです。
何より、はじめからタダで依頼されると自分の仕事が軽く見られているように感じてしまい、ますます引き受けることに抵抗感を強めてしまいます。
引き受けたくなる頼み方
実際にあった話なのですが、ある知人から簡単な作業依頼がありました。
内容的にも数時間あれば完了するような簡単な作業です。
ただ、仕事が忙しい時期だったので引き受けるかどうか迷っていました。
そのとき知人が言った一言
「ちなみに報酬はいくらくらいになるの?」
なんだかホッとする自分がいて、そして、なぜか嬉しい気持ちになり、
「あー、簡単な作業だけだからお金はいらないよ」と返事をしてしまったのです。
結局、タダで仕事を引き受けることになったのですが、私の中には全くわだかまりもなく、それどころか爽快感さえ感じる出来事でした。
なぜタダなのに爽快だったのか
思うに、知人が最初に「いくらなの?」と問いかけてくれたのが大きかったです。
この一言で、私自身の仕事の価値を知人が認識してくれているという確認が取れて安心しました。
それが分かってくれているのなら私としては不満はないわけで、あとは金額を伝えるだけです。
内容的に簡単だし、ときどきお世話になる知人なので、ついつい「タダでいいよ」という言葉が出ました。
正直、カッコつけた部分もあります(笑)
ポイントは「タダ」という言葉を私自身が発したことで、私自身がこの仕事は無料サービスなんだということを決定している点です。
ここが重要。
相手から「タダにしてよ」と言われたわけではなく、自分から「タダにするよ」と言った場合、自分自身が納得して仕事をすることができます。
さらに、相手にとって最大限のサービスができるという喜びも得ることができます。
知人も「相談して良かった」と思ってくれたはず。
こういった状況が、タダなのに爽快な気分にさせたのかなと思いますね。
一言添えるだけで関係は良くなる
こういったことって、知人や身内同士に限らず一般の取引先においても同じなんじゃないかなと思います。
支出は少ない方がいいに決まっていますが、かといって何でもかんでも値切って安くやってもらおうとか、コネを利用してタダにしてもらおうとすれば当然ながら嫌われます。
タダ(追加料金なし)でやってもらえそうなサービスを受けたとしても、一言「今回の代金は?」と聞いておくのは大事なことですよね。
結果として「お代は結構です」と言われればOKだし、仮に「追加料金○○円です」となれば、今後の取引を考える余地が生まれるだけです。
まあ、サービスを受ける側が「タダかも?」と思うようなものなら、たいがいはタダなんでしょうけどね。
大切なことは、双方が「タダ」という金額を確認し納得することで、遺恨を残さないようにすることなんです。
相手のことを考えて、もしかしたら自分に不利になるかもしれないような事でも、きちんと一言添える心遣いが、長く良い関係を築くうえでは必要なことなんじゃないかなと思いますね。