人はスクールカーストをいつまで引きずるのか

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少し前に、テレビのバラエティー番組「アメトーク」で、中学生のときイケてない芸人というのが放送され話題になりました。

今は売れっ子芸人として活躍している人々が、実は中学生時代にスクールカーストの最下位グループだったというエピソードを面白おかしく紹介するものでした。

多くの「イケてない」中高生や、学生時代に同じような体験をもつ社会人に勇気を与える内容でもあり、個人的に大好きなシリーズです。

そんなテレビ番組を見ていて、ふと感じたことを書いて行きます。

 

ちょっと補足:スクールカーストとは?
学校内で生徒間に自然発生する「人気の度合い」などを表す序列を、カースト制度のような身分制度になぞらえて表現したもの。
日本では主にネット上で「スクールカースト」という名称が定着した。
【wikipediaより抜粋】

 

同期たちの華々しく激しい過去に触れる

私が前の職場に就職したばかりのころ、同期の間で必ず話題になったのが、学生時代にどんな生活を送ってきたか?ということでした。

生徒会長をやっていたもの、部活で全国大会に出場したもの、危険物取扱者の資格を保有しているものなど、様々な過去の栄光を引っ提げて入社してきた彼ら。

中には、暴走族のリーダー格だったものや、自分の学校を〆ていたというツワモノも数名います。

そんな華々しく激しい学生生活を送ってきた彼らとは対照的に、私の経歴には自慢できるものがありませんでした。

悪さをしたといえば、せいぜいカキ氷が食べたくて夏休みの補習授業をさぼったことぐらい。

経験した役職といえば、クラスの掃除当番くらい。(役職じゃないし)

運動会も文化祭も部活も、真ん中より下に位置する目立たない普通の生徒です。

ただ、私は生まれつき人見知り&コミュ障のため、そもそも目立つことが苦手だったので、こういった真ん中下あたりで身をひそめている生活が居心地良かったのかもしれません。

しかし、社会人になり、華々しく激しい過去を持つ同期たちと付き合っていくと、自分の過去に情けなさを感じ始めたのでした。

 

スクールカーストは引き継がれた

入社して数か月が過ぎたころ、ごく自然に同期の中に階級ができあがっていました。

それは、ほぼスクールカーストを引き継ぐ形で構成され、トップはやはり自分の学校を〆ていた彼と、暴走族リーダー(格)だった例の人のふたりです。

多くの同期たちは、まだ10代だったこともあり、やはり腕力的な部分でランキングが決まってしまうという子供じみた価値観が優先された結果でした。

もう社会人なのに、誰がケンカが強いのかという、社会人にとって何の役にも立たない能力で順位が決められたのです。いま考えれば私も含めてアホな連中です。

いうなれば、まさにスクールカーストそのまんま。

それでも、皆が納得していたのも事実でした。

 

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そこからさらに年月が経つと・・・

入社して10年が経ったころから、入社当初に決定したスクールカーストを引き継いだ同期生カーストが徐々に崩れ始めます。

それは、社内で「役職」につく人間が出始めたためです。

いくら、むかし番長や族のリーダーだったからって、いまや社会人なので上司の指示には従わざるを得ません。

逆に、いくら学生のときイケてない生徒だったとしても、今は管理職なのです。

今までフンズリ返っていた番長が、ゴボウのようなヒョロヒョロの同期から「これ、明日までに頼むわ」って言われ、「はい、分かりました」って答えている。

ついに、スクールカーストが消滅した瞬間でした。

 

スクールカーストって所詮は18歳まで

考えてみると、スクールカーストにリアルタイムで縛られるのは小学生~高校生の間だけなんです。

大学は一般的に新たな場所でスタートできるため、それまでの過去をリセットできます。

私が前にいた職場では、最初のころだけスクールカーストを引きずったものの、基本的に同期の仲が良かったので、いじめとかはありませんでした。

そして10年くらい経つと、同期の階級は社会の階級に一致していきます。

しかも、この階級は退職するまで何十年も続くわけです。

18歳までのカーストを気にするより、この長い長い社会のカーストで上位を取ることの方が人生で重要だということが分かると思います。

私にも経験がありますが、学生時代にちょっといじめられたり仲間はずれにされたりすることがありますよね。

意地の悪い人にまとわりつかれたり、怖いひとに使いっパシリにされたりするこだってあります。

でも、長い人生で考えたら、それは「ほんの一瞬の出来事」に等しいです。

大事なのは、社会に出てから。

社会に出れば、いずれスクールカーストの呪いは解け、子供じみた階級制度から解放される日がきます。

その日のために、を大切に生きていかなければなりません。