昔から「お金持ちの人は倹約家が多い」という話があります。
これはつまり、お金を使わずに貯めていれば『お金持ち』になれるという理屈です。
ただ、気になったのは、その状態が幸せかどうかなんですよね~
今回は『お金持ち』というより、『裕福』とか『幸福』という面からお金について考えてみます。
お金持ちは二種類いる
一般的な言い方では『お金持ち』と呼ばれている上流階級の人々ですが、厳密に言うと、資産家と高収入の人の2種類に分類することができます。
資産家はその名の通り『資産』をいっぱい持ってる人です。
ちなみに、アメリカの雑誌フォーブスが発表した2016年の日本の長者番付(資産の多い順)は次のとおりです。
順位 | 氏 名 | 資 産 額 |
第1位 | 柳井 正 | 1兆4600億円 |
第2位 | 孫 正義 | 1兆1700億円 |
第3位 | 滝崎武光 | 7200億円 |
第4位 | 三木谷浩史 | 5600億円 |
第5位 | 森 章 | 4900億円 |
皆さまとんでもない金額で、ここまでデカイ金額になると逆にピンときませんね。
ただ、ここに名前が挙がった人たちの膨大な資産の内訳は自分が経営する会社の株式が大部分なんですよね。
つまり、お金じゃないんです。
仮に、その株式をお金に代えようと思えば、株を売却することになるわけですが、それは同時に会社の最高経営者の地位も失うことを意味しますので、簡単に現金化できる資産ではないとも言えます。
不動産なんかもそうですが、簡単に現金化できない資産というのは、得てして負担になったりもするものです。
つまり、お金持ち(資産家)って、自由になるお金はそんなに多く持ってない場合が多いんですよね。
(とは言っても、我々一般庶民から見れば、相当たくさんの現預金は持っているわけですが… )
お金持ち(資産家)が余りお金を使わないのは、意外と現金を持っていないからという事情もあったりするわけです。
高収入のお金持ち
一方、資産はそんなに多くないけど、高収入だぜ!っていうタイプのお金持ちもいます。
こういった人々は現金を大量に持っているので、金使いも荒いです(たぶん)
余りにも金使いが荒すぎて、為替変動や株価下落やリーマンショックなんていうアクシデントがあると、あっという間にセレブの世界から消えてしまう人も少なくないのが特徴といえます。
でも、こういた人が高収入を維持している最大の要因は、何と言っても『金使いの荒さ』なのです
言い方を変えて『金離れが良い』と表現した方がしっくりくるかもしれませんね。
彼らは、お金を得るためにお金を使うことをためらいません。
昔、知り合いの会社経営者の人が言ってた言葉を思い出しました。
その人は、多額の報酬を会社から受け取っていたのですが、ほぼ貯金をしていませんでした。
なぜ、貯金しないの?って聞いたら。
「金は天下のまわりものだよ。みんながたくさんお金を使うことで経済は活性化されるんだ。経済が活性化すれば、俺もまた儲けることができるでしょ。」
なんと広い視野を持ったひとだろうと感心したのを覚えています。
つまり、自分がより儲けるために、自分もお金を使うんだという考え方なんですね。
変な宗教でも、高額のお布施をした方が幸福になれるとか言ってますよね(笑)
まあ、変な宗教は別にして、お金を使う人の方が金回りがよくなるというのは一理ありまして、
例えば、新たに商売を始めたときに、新しい店舗や設備を揃え、制服や広告にも十分お金をかけたお店と、自宅の軒先で取りあえず始めたお店では、1年後どれくらい売上に差がつくのかを考えてみれば分かりやすいでしょう。
ビジネスの世界では一定の『先行投資』が必要で、これは以後の集客や売上に大きく影響します。
また、お金を使わないということは、何もかもを自分ひとりでやることになりますので、仕事の効率も悪くなるわけです。
例えば、本業以外の部分はお金を払ってアウトソーシングすれば、自分は本業だけに集中できるので、必然的に業績も上がっていくという理屈なんですね。
投資なんかも同じです、例えば平均的な利率が年1%の投資をする場合、100万円投資する人と、100億円投資する人では、利益金額に1億倍の差がつくんですよね。
1年間の利益金額にすれば、実に9900万円もの開きが生まれるわけです。
こうやって考えていくと、お金を使う人の方がそうでない人より儲けやすいという理屈がわかります。
また、不確かな話として、大きな買い物をした後には大きな収入があったりするという不思議な出来事を体験した人を何人も知っています。(これは単なる偶然かもしれませんが)
お金は使わなければ価値は無い
そもそも、お金というのは、通貨なので流通させなければ価値がありません。
自分の必要な物を買ったり、サービスを受けたりするために使うことで、はじめてそのお金に価値が出るんだと思います。
商品やサービスの価値を測るのに金額を使います。
しかし、お金を支払わなければ、その価値を自分の手にすることができないわけで、そういった意味においても、お金は使ったとき始めて価値が出ると考えられるのです。
この理屈は、逆に言えばお金を得る理由にもなっています。
何かを手に入れるためにはお金が必要ですよね。
だから、そのお金を手に入れるために仕事をしたりするわけです。
つまり、仕事をして手に入れたお金で自分にとって必要なものを買うことで幸せになれるわけです。
いくらお金を儲けても、何も買わず、何にも使わず、ただ貯金だけしていることが幸せでしょうか?
また、そういう方法で多額の貯蓄をしている人は裕福といえるのでしょうか?
そういった意味では、冒頭で紹介した日本の億万長者さんたちは、現金化が難しい株式を大量に持つことを望んでいるのでしょうか?
資産の中で最も価値があるのはお金です。
しかし、それは『何にでも変えられる』からこその価値なわけで、現金化したり他の物と交換できない資産の価値は低いと言えます。
そのあたりが自分の資産形成を考えるうえで重要になってくるわけですね。
ということで、お金は有意義に使うことで自分に返ってくると思います。
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