その昔、遅く帰ってくるお父さんに嫌味を言うと必ず返ってきた言葉が
「誰の為に働いてると思ってるんだー!」ぷんぷん
でした。
この言葉は、つまり「家族を養うために毎日遅くまで働いてるんだZ」という意味です。
さらに細かく分析すれば、
家族を養うために、お金が必要なので、嫌な仕事だし、早く帰りたいけど、嫌々ながら残業してるんだ。
つまり
お金のために、嫌々ながら仕事してるんだ。
という意味になります。
もう、そんな時代は終わりを告げようとしてるんじゃないかと思いまして、筆を執りました。
家族のため!は方便
私が思うに、そもそも「家族の為に働いている」というのも方便なんだろうと思うのです。
そりゃあ、多少は家族を養うために頑張ってるという側面はあるのですが、
頑張ってる一番の理由は、会社での自分の立場を守るためだったり、上司からの評価を下げたくないという思いだったりするんじゃないでしょうか。
それも含めて「家族のため」だと言われれば、その通りではあるんですが、給与体系によっては、別に評価の高低と給与額は比例しない場合も多いのが現実ですよね。
要は、遅くまで残業して頑張って仕事してるのは「自分のため」っていうのが一番にあるんだろうと思います。
本当に家族が一番なら、子供が熱を出したら会社なんて軽く休んでしまえるはずなんです。
でも、できないです。普通は。
「この忙しい時期に休んだら周りの人に迷惑をかける」という思いが募って、なかなか休めたもんじゃあありません。
自分の為に頑張ってるのは悪くない
結局、今も昔も仕事を頑張るのは家族のためじゃなく「自分」のためなんですよね。
そして、このことは別に悪いことでも何でもなくて、当たり前のことだとも思うんです。
自分が成長するためであったり、出世してステップアップしていくために、必死で仕事をするのは良いことじゃないですか。
特に最近は「自分の好きなことを仕事にしよう」みたいな風潮もあるので、ますます自分のために仕事をするというのが当たり前になってきました。
だから、家族から帰りが遅いことを非難されたときに
「誰の為に働いてると思ってるんだー!」
って言ちゃうと、
「自分のためでしょ」って、あっさりウッチャリきめられてENDです。
仕事で遅くなり、家事や育児を妻(夫)まかせにしていることを、「家族のため」と言い逃れすることはできなくなってきたわけです。
仕事と家庭を両立できてこそ
ただ、いくら仕事を頑張って、会社からも上司からも認められ、社会的地位まで手に入れたとしても、満足するのは自分だけなんですよね。
家族としては「そりゃ、仕事以外のことを放ったらかして仕事だけしてたんだから…」となります。
家族の犠牲のうえに成り立った「自分だけの成功」に価値はないんです。
そりゃあ「だんな元気で留守がいい」という思考の配偶者をお持ちであれば、あるいは喜んでくれるかもしれませんが…。
やっぱり、仕事と家庭の両立ができてこそ、本当の成功だと思います。
「そんなの、理想論だ!」という声が聞こえてきそうですが、はい、そのとおり理想論です。
私自身も、仕事しながら家事や育児もやってますが、とてもじゃないけど両立と呼べるほどバランスよくはできていません。
人間はそんなに器用ではないし、まして私はスーパーサイヤ人でもありませんからね。
どうすれば両立できるのか
では、どうすれば両立できるのか?
その答えを見つけられたらノーベルバランス賞でも受賞できそうです。
それぐらい難しいことですよね。
でも、できるだけ理想に近づけることはできると思ってます。
そのためには「家族全員が協力する」ことなんです。
簡単に「協力」って書いたので、いまいちピンとこないでしょう。
家族が相互に協力するには、相手を思いやることから始めなければいけません。
「いつ帰ってくるか分かんないから、帰ってきたらチンして食べさせよう」と考えるのは家で待つ人の都合です。
「お父さん毎日仕事で遅いけど、できれば温かいものを食べさせてあげよう」と思って夕食を準備するのが、相手を思いやる気持ちです。
結果、夕食のメニューが冷凍食品でも良いんです。
「仕事で疲れて帰ってきたのに、冷凍食品かよ!」と思う働き手は多いでしょう。
でも、これって家のことをやってる人を見てないんです。
「いつも遅く帰るから、1人で家事するの大変なんだろうな」って思うだけで全然違います。
全ては思いやりから始まる
具体的に何かをしてあげることは難しくても、常に家族のことを気にかけて、相手の立場で思いやっていれば、その想いは自分の言動にでてきます。
自然に「ありがとう」とか「いつもゴメンね」という言葉が出てくるようになります。
本当の意味で「家族のため」と思うのなら、やっぱり家族に向き合うことから始めないといけないと思います。
家族みんなが、家族みんなを「思いやる」ことで、自然に助け合う気持ちが芽生えます。
子供たちも、いつのまにか自分から手伝いをしてくれるようになります。
そうなれば、家の掃除がチョットくらいできてなくても、夕食が冷凍食品であっても、家族は幸せなのではないでしょうか。