うちの娘は中学生になってからスマホを所有しています。
と言っても、当然ながら料金は親が支払っているので所有権は親にあります。
したがって娘は単なる使用者に過ぎず、正確な表現をすれば「所有している」ことにはなりません。
小難しいことを書いてしまいましたが、今回の記事には全く関係ないので、どっちでも良い話でした。まさに余談。
今回は反抗期&思春期で取り扱いが難しい中学生の娘と、我が家の最高権力者との間で繰り広げられた激しい攻防に、真っ向勝負を挑んだ超平和主義な父親の話です。
ことの発端は娘の夜更し
中学生ともなれば友達付き合いや友達未満の同級生や下級生や先輩諸氏とのお付き合いなどが発生するため、大人顔負けの気遣いを必要とする人間関係に直面します。
うちの娘も同じような環境なのか、毎日のようにスマホ画面を高速指使いで突っつき回し、LINEというSNSをフル活用しながら複雑な人間関係を乗り越えている今日このごろ。
ただ、あまりにもスマホを突っつき回す時間が長く、お陰で宿題をする時間帯が深夜にずれ込むという事態が発生したことから、家族内で問題視されることとなったのです。
女帝降臨
最初に口火を切ったのは、我が家の女帝「よめ」です。
ドカーン!(擬音)
正に寺内貫太郎のごときカミナリを、娘の頭上から垂直に投下したのです。
しかし、さすが反抗期&思春期ド真ん中に鎮座する、我が家のトランプ大統領こと娘。
「はーい」という空返事だけで、スマホを手放す素振りなど微塵も見せず、相変わらずの高速指使いっぷりを披露し続けたのです。
結果。
「女帝よめ」はブチ切れ、それを受けて娘がブチ切れ返し、女帝VS大統領という英国対米国の戦争みたいな激しいバトルが勃発。
娘がブチ切れた理由
嫁さんとしては、娘が最近眠そうにしてる様子を心配してて、その原因は夜更かしをしていることだと察したわけです。
夜更かしの原因は深く調べる必要もなくて、要はスマホを触ってる時間が長いからなんですね。
で、嫁さんの性格上「スマホを止めろー!」とド真ん中にストレートを放り込んだというわけです。
元を断つ!という強い信念を感じさせる叱り方です。
一方、娘としては、スマホを触っているのは「中学生活における円滑な人間関係の形成上必要不可欠な作業なので仕方ないでしょ!」という言い分。
「友達やクラスメートからのLINEを未読スルーできないでしょ!お母さんはスルーできるの?」と反撃をしてきたわけです。
さらに、「宿題や自主学習もきちんとやってるんだから何か問題ある?」みたいな言い分なわけです。
論点がズレている
結局ふたりは大喧嘩の末、それぞれが夫であり父親である私に「私の言ってること間違ってないよね!」と相談(愚痴)を持ちかけてきました。
二人の紛争を目の当たりにしていた私としては、超平和主義者という立場もあり、どちらかに肩入れすることはできません。
私が感じたのは、そもそも論点がズレてるんじゃない?ということです。
嫁さんとしては、娘にスマホを止めさせることが目的ではなく、夜更かしを止めさせたかったはず。
夜更かしが続けば健康にも悪影響がでるし、お肌も荒れるし、何より学校で眠いでしょ?っていう心配をしているわけです。
それを「スマホやめれー!」って怒鳴ったもんで、娘から反発を買ってしまいました。
論点が「夜更かし」から「スマホ」にズレちゃってるわけです。
ジュネーブ的仲裁
嫁と話した結果を踏まえて、永遠の中立国ジュネーブ的な立場の私から、娘に仲裁話をすることになりました。
勉強を頑張ってることも知ってるし、友達関係を大切にするのも分かってる。
でもね、娘が毎日夜更かしをして、ときどき机でうたた寝してる姿を見ると、とても心配なんだよ。
このように話したところ、娘も分かってくれて、自ら「スマホを夜9時以降は触らない」という約束をしてくれました。
もちろん「夜9時まではスマホ触ってても文句言わないでね!」という条件がつきましたけどね。
否定されると人は反発する
今回の親子喧嘩を見てて感じたことは、「人は自分の行動を否定されると反発したくなる」ということです。
これは家族間のことだけじゃなくて、職場や学校でも同じことが言えるのではないでしょうか。
人が何か行動を起こしたり、何か物事に取り組んでいる場合、少なからず「その行動をする理由」があります。
今回の場合だと、娘が寝る時間を削ってまでスマホを高速な指使いで触っていたのは、複雑な中学生同士の人間関係を円滑にするためでした。
本人にとっては、とても重要な行動であるにも関わらず、親から「スマホやめれー!」と頭ごなしに怒られれば、そりゃあ反抗したくなるというものです。
人の行動には理由がある
兼業主夫である私は、ほぼ毎日のように夕食を作っていますが、嫁さんは帰ってくると必ず何かを言います。
ある日、肉じゃがとレタスサラダを作って、嫁さんに「すごいじゃん!肉じゃが作ったの」って褒められるんじゃないかと期待に胸を膨らませ、嫁さんの帰りを待っていたときのことでした。
帰ってきた嫁さんは開口一番に言いました。
このやり取りも、今回の母娘喧嘩の原因と同じなんです。
私が晩ご飯を何にしようかと悩みまくり、取捨選択を繰り返した結果として、肉じゃがとレタスサラダを作ったという行動をド頭から否定しています。
まあ、私の場合は女帝と召使いのような夫婦(主従)関係なので、件(くだん)の親子喧嘩のような惨事には発展しませんでしたけどね。
まとめ
人の行動が自分の考えに合致しないからといって、頭から否定すると反発を買うだけです。
その人が取った「その行動」には、その人の思いや考えが込められていることを忘れてはいけけません。
子供を叱るときも、ついつい「それダメ!」って行動を否定しがちです。
でも、子供がその行動を起こしたのには理由や原因が必ずあるはずなんですよね。
それを見極めて、よく話を聞いてあげて、危ないとか体に悪いよとか、心配しているんだぞ!という自分の気持ちを素直に伝えてあげるのが良いんじゃないかと思うんです。
その人の行動を尊重することは、その人を尊重することにつながります。
それが平和で優しさに満ちた人間関係や親子関係を築く上で、最も大切なことなのではないかな?と思うわけです。
そう考えると、私は嫁から尊重されていないのかもしれないということに、今しがた気が付きましたがガガガ…