童謡ぞうさん♪で有名な「まど・みちお」の作品展で絵を観てきた件

育児や家族

まど・みちお を知っていますか?

ぞ~おさん、ぞ~おさん、お~鼻が長いのね♪でお馴染みの「ぞうさん」

白ヤギさんたら読まずに食べたの「やぎさんゆうびん」

ポ~ケットの中には、ビスケットがひとつ♪の「ふしぎなポケット」

これらの有名な童謡の作詞家が「まど・みちお」なのです

そんな、「まど・みちお」の作品展に行ってきました

作品展が開催されていたのは山口県周南市にある周南市美術博物館

まど・みちおの生まれ故郷にある施設です

詩人として有名な「まど・みちお」ですが、今回の作品展で主に展示されていたのは

なんと、絵です

もともと、友人に誘われたので作品展を観に行きました

そんな経緯もあって私自身は「詩人が描いた絵か・・・」ということで、あまり期待していませんでした

展示してあった絵は十枚程度でした

しかし、なかなか斬新な表現の作品で、良かったです

まどみちおが絵に没頭していた時期は、ほんの数年間だけだったのですが

その間に、「描き方」の試行錯誤をしている様子が、作品の制作年を追いかけると、よくわかります

特に注目すべきは、絵を描く道具

絵の具のほかに、クレヨン、ボールペン、サインペン、ろうそく!、色んなもので表現方法を模索しています

クレヨンで色をつけ、削り、水彩絵の具で着色して、ボールペンで線を足していった作品なんかもあって

今まで見たことのない描き方で作成された絵は、独特の不思議な世界を感じさせます

ひととおり作品を見て、会場を出ようとしたら、壁に展示された一編の詩が目に飛び込んできました

ぼくが ここに

ぼくが ここに いるとき

ほかの どんなものも

ぼくに かさなって

ここに いることは できない

もしも ゾウが ここに いるならば

そのゾウだけ

マメが いるならば

その一つぶの マメだけ

しか ここに いることは できない

ああ このちきゅうの うえでは

こんなに だいじに

まもられているのだ

どんなものが どんなところに

いるときにも

その「いること」こそが

なににも まして

すばらしいこと として

この詩は、教科書に掲載されたこともある有名な作品なのですが、私は初めて目にしました

ここに「いること」の素晴らしさを詠った詩です

まど・みちおが単なる詩人ではなく、芸術家だったことを改めて感じさせる作品でした

言葉だけでなく、文字間のスペースも、そして、改行箇所も・・・

全て「表現する」ためのものなのです

絵と詩の両方を観賞したことで、まど・みちおの芸術性の高さを知ることのできた貴重な体験でした

作品展に誘ってくれた友人に感謝です

今回の作品展がおこなわれた山口県周南市は海岸線にコンビナートが広がる工業都市です

山口県周南市の玄関口「徳山駅」では、電車の到着メロディーに、まど・みちおの作品である「ぞうさん」と「一年生になったら」を採用しています

また、2014年9月に開通した同駅内の自由通路は「ぞうさんのさんぽみち」と名付けられています

まど・みちおが周南市にとって、いかに著名で大切な芸術家であるかが伺えますね

最後に「まど・みちお」のことを少しだけ紹介をしておきます

まど・みちお

本名:石田 道雄(いしだ みちお)
1909年(明治42年)11月16日 山口県周南市に生まれ
2014年(平成26年)2月28日 104歳で没
20代のころから詩を作りはじめ、生涯にわたって詩を作り続ける
25歳のときに北原白秋にその才能を認められ、多くの作品を手掛けるように
有名な作品は、「ぞうさん」、「やぎさんゆうびん」、「ふしぎなポケット」、「一年生になったら」など多数
そのおおらかでユーモラスな作品は童謡としても親しまれている

表現の前に存在があるという意味で「存在の詩人」とも称されています

まど・みちお詩集 (ハルキ文庫)
まど みちお
角川春樹事務所
1998-04
百歳日記 (生活人新書 332)
まど・みちお
日本放送出版協会
2010-11-06