ある日の夕方、電話が鳴りました
息子が通う小学校からの電話でした
このとき息子は既に帰宅していたので、息子の身にトラブルが起きたのではないことは分かりました
受話器を取ると、いつも明るい息子の担任が、いつもの明るさとは正反対の低いトーンで喋りはじめました
「子供さんから、今日学校であったこと聞かれました?」
なっ!なにがあったんだ・・・
息子はいったい何をやらかしたのか
息子(9歳)は小学3年生
悪ガキぶりが日々増長している、成長期まっただ中の男子です
学校でいったい何をやらかしたのか?
私は軽く緊張しながら受話器の向こうの先生に答えます
「い、いえ。さっき帰ってきたばかりなので、まだ話とかはしてないんですが・・・」
という言い訳じみた返答
「そうですか(ちょっと強め)。実は今日・・・」
と、先生はうちの息子が学校でしでかした今日の出来事を話してくれました
要約すると、友達の靴を「悪ふざけ」で隠したというもの
これだけ聞くと、よくある子供同士のトラブルに聞こえるのですが
実は、先生が重く見ていたのは「靴を隠した」こと自体ではなく、そのときの状況だったのです
「詳しい話は、本人から聞いてください」
と、先生は敢えて細かい説明をしなかったので、息子に聞いてみました
息子に聞いて分かったこと
息子いわく
休み時間に運動場で友達数人と鬼ごっこをしていたら
そこにA君(靴を隠された被害者)が合流してきた
A君は鬼ごっこには参加せず、手に持っていらダンボール製の剣(A君の手作り)で、友達たちを悪ふざけで切り付けてきた
それで、「わーやめろー」みたいな感じになって
友達のひとりが剣を振り払ったら剣が折れてしまった と
A君は一旦教室へ戻り、剣を修理して再び登場してきたのです
が・・・
こちらに戻ってくるA君を発見した友達が
「Aが戻ってくるぞー、逃げろー」みたいなノリになっていて
そのノリに乗っかった息子が、A君がこっちに来れないようにとA君の靴を隠したというもの
結果、A君は泣きながら先生のところに行き、事件発覚となったわけです
これは「いじめ」なのか?
先生や息子の説明では
A君を含む友達たちはクラスでも仲の良いグループで、「いじめ」というレベルの話ではありませんとのことでした
しかし、A君にしてみれば「せっかく剣を修理して、またみんなと遊べる」と思いながら、みんなのところに戻ろうとしていたわけです
A君の気持ちを擬音化すれば「ワクワク」だったわけです
ところが
みんなは逃げるわ
靴は隠されるわ
で「仲間はずれにされたような気持ち」になったわけです
逃げてるほうは「悪ふざけ」
遊びの延長でしかなかったのですが、当のA君にとっては、そんな軽い話じゃなかったはずです
「いじめというレベルではない」と言うけど、こういう状況を「いじめ」って言うんでしょうね
まとめ
結局、1時間以上も息子と話をして「相手の気持ちや立場を、よく考えること」とか、いろいろ説明したら分かってくれたみたいでした
もともとは、先生から「今日の”靴隠し”のことは、自分の口で家の人に話しておきなさい」と言われていたようなのですが
息子から親に話すことができなかったということは
自分が「悪いことをした」という認識があるということかな?と解釈するのは、親バカでしょうか
人は誰しも「自分の成長」を願うものです
でも、人を下げることで相対的に自分の地位を上げることに何の意味も無いということを知っておかなければと思います
「人より」優れているかどうかは重要ではなくて
「自分の目指す位置」にたどり着いているかどうかが大切なこと
それが
「ライバルを蹴落す」のではなく
「ライバルと共に成長する」
という考え方に、つながっていくんじゃないかなと思うんですよね