私は職業柄さまざまな人から質問を受けますが、いつも回答に困るのが、
「どうすれば良いですか?」
とか、
「AとBでは、どちらが良いですか?」
という質問です。
よくある質問の形なのですが、なぜ回答に困ってしまうのでしょうか?
今回は、そのあたりの話を含め、ネット検索にも有効な考え方について書きました。
なぜ回答に困っているのかというと・・・
「AとBでは、どちらが良いですか?」という質問をされた場合、困ると書きました。
けしてAとBの比較ができなくて困っているわけではありません。
問題なのは「~良いですか?」の部分。
質問した人にとって、何が「良い」のかが分からないから困っているわけです。
例えば、
退職金共済を掛けていた人が退職をした場合に、共済金の受け取り方法についての質問が多くあります。
退職金として一括で受け取れば退職金控除があり税金は安くなるけど、受領金額は規定の金額しかもらえません。
一方、退職した後で分割して受け取る方法を選択すれば、トータルで受け取れる共済金は増えます。ただし年金扱いになるため雑所得として課税されてしまいます。
両者ともにメリットとデメリットがあるわけです。
で、「どっちが良いですか?」と質問されても、困るわけです。
逆に聞きたいわけです「あなたは、どっちが良いのですか?」と
何が「良い」のかは誰にも分からない
例に挙げた共済金の受け取りの話については、その人が「どんな未来」を希望し予想しているかによって「良い」の定義が変わってきます。
例えば、
自分は不摂生な生活を続けてきたので長生きしそうにないな~と思っているのであれば、トータルで受け取れる金額は少なくても一括受領を選択したほうが良いと思われます。
結果、本人の予想どおり早死にしてしまった場合、生きてるうちに貰えるお金は多いわけですから、本人にとってはメリットがあります。
一方、本人の予想に反して長生きしてしまった場合、貰えるトータル金額が少なくなるので、「やっぱり年金型で受け取ればよかった」という後悔の念を抱くことになるでしょう。
未来に起こることなんて誰にも分からないのです。
こうして考えてみると、何が「良い」のかなんて本人にも分からないわけですから、他人の私に分かるはずがありません。
後悔しないための方法
とは言え、せっかく私に相談していただいているのに、「そんなの分かるわけないじゃん!」って言ってしまうと身も蓋もないですよね。
では、どうすれば良いのか。
どっちが良いのかが分からない場合、後悔しないために「自分で決める」と覚悟をすることです。
もっと言えば「最終的に自分で決めたことだから後悔しないぞ」と思うことです。
そういうマインドで質問をする人は、質問の仕方が違います。
例えば、
「カクカクシカジカな理由で、私はAを選ぼうと思うのですが、メリットとデメリットを教えてください」というふうに、具体的な質問になってきます。
こういう質問の仕方であれば、メリットとデメリットを伝えたり、その人の思いや現状から見えてくる未来予想図を考えながらアドバイスができるわけです。
つまり、質問の仕方次第で、あなたが求めている答えが見つかるか可能性は高まるわけです。
ネット検索にも応用できる考え方
この考え方は、ネットから情報を得る場合にも応用できます。
例えば、あなたがダイエット方法を調べるとします。
「ダイエット やり方」などで検索すると、様々なダイエット商品の広告サイトがズラーと出てきてしまいます。
この状況では、あなたにマッチしたダイエット方法を見つけることは至難の業ですよね。
本当は、検索する前に、あなた自身が困っていることや知りたいことを具体化しておく必要があるのです。
例えば、
気になるお腹周りの贅肉を落とすのに効果的な運動はなんだろう?とか
できれば食事制限はしたくないな~とか
そんなにガリガリに痩せなくてもいいからお腹さえスリムになってくれないかな~とか
こうやって考えてから検索すれば、検索ワードにも変化が起こります。
「お腹 贅肉 運動」
「食べても痩せる お腹 ダイエット」
「軽い運動 お腹だけ痩せる」
目的を絞った検索ができるので、あなたの求める答えに辿り着く可能性は大きくなります。
まとめ
今はネットが発達していて簡単に答えに辿り着ける便利な世の中ですが、一方では情報過多の時代でもあります。
質問や検索ワードが漠然としていては、溢れる情報の中から答えを見つけ出すことは困難です。
人に質問するときも、自分が何を求めているのか?を絞り込むことで、答えに辿り着きやすくなると思うのです。
くれぐれも「どうすれば良いですか?」という他人に丸投げの質問はしないようにしましょうね。