早いもので、自宅で起業して3年が経ちました。
開業当初はどうなる事かと不安でお腹いっぱいの毎日でしたが、なんとか形になってきた感じです。
本当は自宅での仕事にこだわらず、外に事務所を構え人も雇えば、組織化して事業規模を拡大することもできます。
でも、僕があえて自宅での仕事にこだわっているのには、明確な理由があるのです。
自分の時間は有限である
以前、Twitterでもつぶやいたのですが、
父親が亡くなって一番感じたことは、
「人はいつか死ぬ」ということ。
それは明日かもしれないし、今日かもかもしれない。
今を大切に生きねば。— ぼっちー@家事屋 (@Amaten1968) 2018年8月9日
人はいつか死にます。
自分の時間は限られているわけです。
その大切な時間を、上司への無駄な忖度や通勤時間に使いたくないのです。
サラリーマン時代を振り返ってみると、上司や部下や同僚との付き合いに振り回されて、家族との時間が取れない時期もありました。
特に単身赴任をしていたときは、僕も妻もテンテコマイ。
小学生の娘は学校から帰ると自宅で一人ぼっちという日々が続いていました。
とある夏休みの出来事
当時、小学1年生だった息子が夏休みになったときのことです。
普段から学童保育を利用していたので、夏休みも学童保育のお世話になっていました。
ところが、お盆を挟んで1週間の間、学童保育も夏休みになってしまったのです。
しかも、夫婦そろって休暇が取れない状況。
自分たちの親は近所に住んでいないし、学童保育以外で子供を見てもらえる施設もありません。
仕方なく、遠方の親元に1週間だけ息子を預けることにしたのです。
しかし、預けたその晩から早速事件が起きます。
息子が夕方になると電話を掛けてくるのです。
よくある話のようですが、問題だったのは僕たちが仕事から帰るのが遅く、息子が電話を掛けてくる時間帯には家が留守だったこと。
つまり、留守電なんです。
仕事から帰ってくると、毎日のように半ベソの息子から留守電メッセージが入っていました。
悲しいやら、淋しいやら、情けないやら、色んな感情が込み上げてきて涙が溢れてきました。
親元に電話を掛けると、息子は泣きながら寝てしまったという日が続き、心のモヤモヤは晴れることがありません。
「なぜ、こんな辛く悲しい思いまでしてサラリーマンをやってるんだ!」
「我が子に、こんな淋しい思いをさせてまで会社に縛られないといけないのか?」
「何のために仕事をしているのか?家族のためじゃないのか!」
自分の大切な人に大切な時間を使いたい
このときの出来事がきっかけになり、家族との時間を最優先するため、まずはサラリーマンを辞める決断をしました。
もともと士業の国家資格を持っていたので、その資格で事務所を開くことにしました。
本当は先輩の事務所で雇ってもらう方が簡単でスムーズなのですが、家族との時間を大切にしたかったため、独立という選択をしたのです。
もっとも、資格を持っているというだけで、経営ノウハウも集客方法も知らないズブズブのド素人だったので、開業して数か月間は見事なゼロ行進。
危うく完封負けの危機でした。
それでも、その年の夏休みは、子供のことも家のことも心配することなく、妻は会社勤めに精を出し、僕は子供と戯れるという幸せな日々を送ることができました。
これも、見栄を張って外に事務所を構えず、自宅で開業したからこその恩恵だったと思ってます。
今現在は顧客も増え、それなりに忙しい日々を送っていますが、基本的に自宅にいますので、子供たちも僕も、そして妻も安心感がハンパ無いです。
そして、子供たちと一緒にいる時間がマックス確保できることに感謝です。
最初は自宅で起業が良い
自宅起業には、家族との時間を大切にできること意外にも、多くのメリットがあります。
それは、家賃ゼロ、通勤時間ゼロということ。
僕の場合、パソコンもプリンターも、持っていた物をそのまま使ったので初期コストはマジで「ほぼゼロ」です。
もっとも、開業して半年くらいは収入も「ほぼゼロ」だったんですけどね。
顧客が増えてきて、必要な物が明確になってから、色々と買いそろえた感じです。
人によっては、応接ソファーやシステムデスクなどを開業当初に全部揃えるケースもあるようですが、あまり最初からコストを掛けるべきではないと思います。
どうせ、家賃ゼロ、通勤時間ゼロ、収入もゼロがしばらく続くのですから、気楽に、身軽に始めるのがイイんじゃないでしょうか。