将棋界の勢力図の変化を振り返ってみた

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出典:ぱくたそ

2017年5月号の将棋世界を買いました。

将棋に興味が無い人にとっては「将棋世界ってなに?」となるでしょう。

ずばり!将棋世界とは将棋界の情報を発信するため月刊で発行されている将棋の専門誌です。マニア用です。

そんな将棋世界を久々に購入して読んでいて、ついつい昔からの将棋界の勢力図の変化などを懐かしく思い出したので、いろいろ書きました。

マニアじゃない人にとっては、どうでもいい話である一方、マニアにとっては当然に知っていることなので別に読まなくてもいいという、書く前からオワコンな記事を書きましたので、マニアの方もノーマルな方も読んでみてください。

最新の将棋世界ニュース

たびたびニュースで取り上げられているので、将棋マニアではない人でも藤井聡太棋士の活躍は知っている人が多いのではないでしょうか。

加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明といった天才棋士しか成し得なかった中学生プロ棋士になった人です。

中学生という義務教育の真っ只中でありながら、全国から集まった将棋の天才たちが凌ぎを削る奨励会三段リーグをたった1期で駆け抜けてしまいました。

以後の活躍はニュースなどで大きく報道されているので、みなさんご承知の通り。

実は最近の将棋界は、昨年あたりから若い世代が台頭し始めていて、世代交代の波が押し寄せてきています。

例えば、将棋界最高峰のタイトル「名人」になった佐藤天彦名人は28歳で名人になりました。

さらに、A級リーグ初参戦の稲葉陽八段が挑戦者となり、20代同士の名人戦になっています。

長かった羽生世代の時代

将棋といえば羽生善治と云われるくらい、羽生さんの知名度は将棋界の中で群を抜いています。

史上初&ただ一人だけの全タイトル制覇を成し遂げた人です。

ちなみに羽生さんが7大タイトルを総ナメにしたのは25歳のときでした。

そう考えると、今の佐藤名人や稲葉八段が特別若いという感じがしませんが、羽生さんが特殊なので佐藤名人や稲葉八段は十分に若いです。

話を戻しますが、羽生世代と呼ばれる世代が将棋界の一大勢力として長く将棋界に君臨してきたのは有名な話です。

代表的な羽生世代といえば、羽生善治を筆頭に、森内俊之、佐藤康光、郷田真隆、丸山忠久、藤井猛などが有名ですよね。

いずれも名人や竜王といったビッグタイトルを始め数々のタイトルを保有していた強者ばかり。

驚くのは、彼らのうち佐藤康光が1歳年上というだけで、あとは全員が同い年だという事実です。

さらに、羽生善治、森内俊之、佐藤康光の3人は伝説にもなっている「島研」という同じ研究会に属していたことも有名です。

これだけ同世代に強い人が集ったことで、長期に渡り羽生世代の時代が続くことになったわけです。

羽生世代のちょっと下の世代といえば、久保利明、深浦康市など将来を期待された強い棋士がたくさんいたのですが、名人や竜王といったビッグタイトルが彼らの世代に渡ることはありませんでした。

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天才少年の登場は10年サイクル

将棋界では天才が10年サイクルで登場すると云われています。

谷川浩司が史上最年少の21歳で名人になり、天才と騒がれ、その後に将棋界のタイトルを総ナメにしそうな勢いで活躍していたとき、天才が現れます。

それが羽生善治でした。

最初のころの対戦では谷川が貫録を見せていたものの、徐々に羽生が盛り返し、ついに谷川から王将のタイトルを奪うことで前人未到の7大タイトル完全制覇を成し遂げました。

この瞬間、谷川を中心とした世代から羽生世代へと将棋界の勢力図は大きく移り変わっていったのでした。

だれもが羽生世代の時代が長く続くであろうと考えていたとき、またしても一人の天才少年が現れます。

それが、渡辺明でした。

プロ四段になった最初のころは、前評判を裏切り目覚ましい活躍こそ見せませんでしたが、19歳のとき王座戦の挑戦者として羽生善治に挑み、あわや王座奪還!?というところまで羽生王座を追い込んだあたりから一気に活躍しはじめます。

翌年には名人と並ぶ将棋界最高峰のタイトル「竜王」を森内竜王から奪取します。

圧巻だったのは、その後に羽生善治、佐藤康光、森内俊之、丸山忠久といった羽生世代の挑戦をことごとく退けて行ったことです。

中でも羽生善治との永世竜王をかけた戦いはテレビでも特番が組まれるほど注目を集めました。

実は10年サイクルではないらしい

先ほど、天才は10年サイクルで現れるという話をしましたが、厳密には10年サイクルにはなっていません。

各棋士の年齢差を見てみましょう。

谷川→羽生は8歳差

羽生→渡辺は14歳差

渡辺→藤井四段も14歳差

といった感じになってます。

羽生世代の時代が長く感じたのは、羽生善治と渡辺明の年齢差が開いていたからなんですね。

今後の注目は藤井四段が、いつタイトル戦に出てくるか、そしてタイトルを獲得するのはいつなのかということ。

藤井四段の活躍次第では、将棋世界の勢力図がまたしても大きく変わる可能性があります。

楽しみですね。

(2023年4月追記)

このブログを書いたのは2017年春のことでした。

今は6年後の2023年春です。

当時四段だった藤井聡太さんは、現在六冠を保持し名人戦挑戦中。

さらに、タイトル戦以外の棋戦(トーナメント戦)も全部優勝。

渡辺VS藤井の世代対決は予想してましたが、ここまで無双状態になるとは…

羽生さん以来の全タイトル制覇は、ほぼ間違いない感じになってきましたね。

あと、藤井VS羽生のタイトル戦(王将戦)を見ることができたのは嬉しい予想外でした。